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挫折したときに僕が読み返している本。それは大崎善生の「九月の四分の一」

      2016/10/10

ぼくは、10年前から作家になりたかった。

でも、その夢は何度も何度も挫折しました。

そんな時にぼくはこの本を読み返しているのです。

 

 

 

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「書けない」という名の恐怖。ぼくは小説を「書けない」

 

ぼくは約10年前にライター養成塾に通っていたことがあります。

そこでぼくが学んだことはライティングのテクニックや助詞の使い方などではありませんでした。

何を学んだか?

ぼくが圧倒的に「才能」に欠けていたという事実でした。
悲しいかな、ぼくには「小説を書く」という「才能」が皆無だったのです。

 

なぜだ、なぜ「書けない」んだ?

 

奇しくもこの「九月の四分の一」の主人公である健二は小説家を志していました。そして、ぼくの実行している努力が彼の努力と酷似しているのです。

 

 

札幌で過した中学高校の六年間と東京での四年間の大学生生活の間、僕はひたすら本を読み続けた。それは漠然と好きな本を読むという意味ではなくて、大雑把ではあるが、ある程度の計画を立てて、自分にとって必要となってくるであろう本を読み漁るという方法だった。

小説家になるために必要不可欠な本を系統だててその十年間で読み終えて、大学四年の終わり頃にいよいよ書き始める。それが僕自身が自分の夢を叶えるために組んだ、大まかなプログラムだった

 

 

ぼくもしかるべき小説を読み、感銘を受けたプロットをノートに書き出して文章のセンスを磨こうと努力していました。
そして、今もその努力をしています。 

ところが、ぼくはやはり書けなかった。

そして、この小説の健二も挫折を味わうことになります。

 

しかし、結果は散々だった。
書けない、というよりも書くことがないのである。その事実は当時の自分にとっては全く理解し難いことだった。
来る日も来る日も原稿用紙に向かっては、おそろしいまでの絶望感とショックに襲われ続けた。

 

この感覚……

痛すぎるほどよく分かります。

なぜ「書けない」んだ。

なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、書けないんだ。

 

絶望に襲われたとき、この言葉だけでぼくは生きていける。

 

翻って、この小説。
健二は小説家の道を中断して、ベルギーのグランプラスへと旅をします。
そこで健二は日本人女性の奈緒と出会います。

そして、彼女に「書けない」ことの絶望感をぶちまけた時、奈緒はシンプルな言葉を言い放つのです。

 

 

「私の考え」

奈緒は僕の方を眩しそうに見ながら言った。僕の背中に窓があって、そこからの光がきっと眩しいのだろう。
それから奈緒が言った言葉は僕が全く予想していないものだった。

「君は書ける」

光に手をかざしながらそう奈緒は言い切ったのだ。

「君はね、小説を書くべきだわ。それを諦めないで生きていった方がいいと思う。いつか必ず書ける日がくる」

僕は何も言わないで肯いた。

いつの日か僕は小説を書ける。
その言葉が、胃の底のあたりに小さな炎をともした。

 

「君は書ける」

 

ぼくは10年前の自分にこう言ってあげたかった。

でも、このような言葉をかけてくれる人なんて実際にはいなかった。

ぼくは今でも10年前に頓挫した自分を愛おしくおもっています。
そして、ぼくは挫折したときにいつもこの奈緒の言葉を思い出すのです。

 

「君は書ける」

 

いや、ぼくは小説は未だに書けないのだけれども、でも、でも、文章は書いている。それがたとえ3人にしか届いていなくても、それがお金に直結していなくても、ぼくは「何か」を書いている。

 

「君は書ける」

 

そう、ぼくは書ける。

 

 

「今度は九月四日でお会いしましょう」。

 

「今度は九月四日でお会いしましょう」

このようなフレーズを紡ぎだせるような作家に、ぼくは、なりたい。

 

迷走は続く。

 

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