ケンタの日本全国スタバ旅 (Starbucks trip)

日本のコンセプトストアを制覇した「スタバ旅行家」のケンタが47都道府県のスタバを巡りまくる!

*

「中尉」(古処誠二)を読んで、クヨクヨ悩んでいる自分に喝を入れてみた!

      2016/10/10

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「無条件降伏」という言葉が怖すぎる。

 

先月出雲大社にスタバ旅していたときに「中尉」という小説を読了しました。

 

この本を読んでいると、「『スタバ旅』てどんだけぬるま湯なんだよ!」と感じざるを得ませんでした。自分としては頑張ってチャレンジしているつもりですが、「戦争」という極限状態に比べると、対応すべき価値すらないのかもしれません。

 

さて、この小説の背景は第二次世界大戦中のビルマ。
日本兵とビルマ住民との交流が描かれています。

そんな中、日本の敗戦が決定づけられます。

 

 

重要なのは負け方であり、さしあたっての懸念は自分たちがどう扱われるかという点にあった。連合国は無条件降伏を要求していた。

無条件降伏。

口にするのも恐ろしい言葉である。

ビルマで降伏する限りはイギリスという国の虜囚になるのは避けられない。つまるところイギリスからどのような扱いを受けようと文句を言えないということだった。

 

無条件降伏とは、「煮るなり焼くなり好きにしろ」と敵兵に腹を見せている状態なんですね。

「戦争に負けるということはこういうことか……」と平和ボケしている自分を戒めました。とりあえず戒めました。

 

戦争には負けたくないものだとしみじみ思った。

 

戦争を知らないぼくの世代は「敗戦のこわさ」を知りません。

今の日本人の中で「敗戦」の恐怖を語れる人が何人いるでしょうか?

ここで、ビルマ現地人コウンタンの言葉を引用してみます。

 

「マスターたちは遠からずイングリの裁きを受けます。イングリに情けは望めないでしょう。二度と戦争ができないよう日本兵は指を切り落とされると聞きました。目玉をくり抜かれるとも聞きました。
ビルマ人の心配をしている暇があったら自分の今後を心配すべきです。〜略〜」

臨場感がすごい……。

戦争ではもっと残酷な陵辱もあるでしょうが、ぼくはこの表現に臨場感を抱いたのです。

そしてこの段落を主人公はこう締めくくっているのです。

 

戦争には負けたくないものだとわたしはしみじみ思った。

なんかライトすぎる感があるけど、シンプルに敗戦のこわさが伝わります。

さらに、この描写もすごい。

 

戦なのだから誰かが死ぬのは当たり前で、苦戦の中で死者が増えるのも避けられないことだった。
誰もが義務の結果としてビルマへ送られてきた。
生死の別は運でしかない。
わたしがビルマで落涙したのはガソリンをかけられた軍旗に火が放たれたときだけである。

ぬくぬくと生活している自分が本当に情けない。
「ブログ」という柔らかい戦場に戦意の萎えを覚えている自分が情けない。 

さて、この小説ではクライマックスで伊与田中尉がある決心をします。それを巡るストーリーも凄惨なるものでした。

是非、この世界観を味わってみて下さい。

 

 

 ところで、この表現面白くないですか?

 

読んでいてちょっと吹き出した場面があります。
「ダコイ」と呼ばれる強盗が襲ってきたシーンですが、以下の描写がぼくは一番好きですね。

どういうつもりかダコイたちは口々に何かを言っていた。草に寝転がったひとりが闊葉樹の根元でもがいていた。グルカ兵の夜襲を受けたこともある者に言わせれば対応すべき価値すらない集団だった。
凧糸が足に絡まっているのだと理解してわたしは戦意の萎えを覚えた。

このディスり方!

ダコイに対して容赦なくバッシングしているのです。

「対応すべき価値すらない」て!

「戦意の萎えを覚えた」て!

こういうボキャブラリーを駆使できるようになると表現力は飛躍的にアップするんだろうな……。

 

さて、「国語」の問題です。
このエントリー内では「対応すべき価値すらない」と「戦意の萎えを覚えた」の2つの表現をちりばめてみました。

発見できたでしょうか?

 

迷走は続く。

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