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伊坂幸太郎の「重力ピエロ」はすべての父親の必読本です。

      2016/10/10

最近、ヒマさえあればむさぼるように本を読んでいますが、いい小説というのは時空を超えてひびきますね。

今回は伊坂幸太郎さんの小説「重力ピエロ」をご紹介します。

 

父曰く「人生の岐路に立ったら大局観でモノを見よう。」

伊坂幸太郎さんの世界観はユニークすぎて、作品によっては自分のフィーリングと合わないこともあります。

そんな中、この「重力ピエロ」という小説にはめちゃくちゃ心惹かれました。

この小説のざっくりとしたあらすじは以下の通りです。

 

仙台の街での連続放火事件。放火現場の近くには必ず奇妙なグラフィックアートが描かれていた。過去に辛い記憶を抱える泉水の二人の兄弟は、事件に興味を持ち謎解きに乗り出す。グラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎を解き明かしたとき、その先に見えてくるものとは。

(Wikipediaより抜粋)

 

この小説の主人公は「泉水」と「春」なのですが、特筆すべきは実は「父」です。

この「父」がいいこと言うんですよ。

 

春がまともに就職もせず、不安定な生活をしていることを、父はそれほど不満には思っていないようだった。「人生というのは川みたいなものだから、何をやってようと流されるんだ」と言ったこともある。

「安定とか不安定なんていうのは、大きな川の流れの中では些細なことなんだ。向かっていく方向に大差がないのなら、好きにすればいい」

 

懐が深い……。

ちょっと前まで、ぼくはいろいろな悩みを抱え、一人でもがいていました。
でも現状は、結局なるようにしかならない局面だと気付きました。

そんなとき、「大きな川の流れの中ではぼくの悩みは些細なこと」というように、大局観で見ることも大切ですね。

まさに、人事を尽くして天命を待つ、という意識で日々を送るのです。

 

「人生に正解などない。」ならいっそ楽しみましょう。

さらにこういうシーンもあります。
主人公の「泉水」がある決断を迫られている場面です。

芸術家の岡本太郎は、次のようなことを言った。
「私は人生の岐路に立った時、いつも困難なほうの道を選んできた」
その時の私がくよくよしていたのは、困難か容易かの問題ではなかった。だからつづけて、父の言葉を思い出すことにした。
「正解なんてないんだろうな」というあの台詞だ。
春を産むべきかどうかを悩んだ時に、父は神に意見を求めた。自分で考えろ!というのが神様からの返事だった。今の私にぴったりだと思った。父の言う通り、これは神様のスタンスとしては正しいのかもしれない。

ぼくは、激しく自己嫌悪に陥ったり人生の岐路に立ったりした時に、「正解なんてないんだろうな」という言葉を思い出すことにしました。

選んだ道がすさまじく困難だとしても、それが不正解か正解かは分からないものです。しかし自分で考えた末に選んだ道であれば、たとえうまくいかなくとも、何かしらの糧になります。

ぼくは「スタバ旅」というキテレツなことをコツコツとやっていますが、時々「ぼくのやっていることはひょっとして不正解なのではないか」と戦々恐々とします。

でも、よく考えたらこの場合の「正解」なんてどこにもないんですよね。

自分が楽しければそれでOK。

 

この小説の醍醐味は456ページ!!

圧巻は以下のシーンです。

父が息子の春に向かってあるメッセージを伝えます。

「おまえは俺に隠れて、大事なことをやった。そうだろ?」

父が不意にもう一度言った。春は瞬きを何回かした後で、私をちらっと気にかけたが「何もないよ」と自然に笑った。父は握っていた手を離した。私のほうにも顔を向けて幸せそうな笑顔を見せたそして再び、春と向き合うと言った。

「おまえは嘘をつく時、目をぱちぱちさせるんだ。子供の時からそうだった。鼻水もそうなんだよ」

私たちは言葉を発することができず、ぽかんと口を開けたままの、どちらかといえば阿呆面で、父を眺める。父はさらに、春に向かってこうつづけた。それは、私たち兄弟を救済する最高の台詞だった。

 

この続きに父が「最高の台詞」を口にします。
ということで続きは是非本書をご覧ください!

ここまでの描写は全て「前フリ」といっても過言ではありません。

「最高の台詞」を自分の子供に伝えられるような父親になりたい……。

 


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