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速読だけが読書じゃない!11年かけて読書するとこんなにツッコミ力が増すのか〜「時間のかかる読書」宮沢章夫

      2016/10/10

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ここ最近、ぼくは本を読むのがめっぽう遅くて悩んでいます。遅読です。

これはまずいと思っているのですが、ぼく以上に遅読の方を発見しました。

宮沢章夫さんです。

宮沢さんは横光利一さんの「機械」という小説を11年2ヶ月もかけて読みました。この小説は短編小説なんですよ!11年て!

なぜ筆者はこんなに時間をかけて読書したのでしょうか?
時間をかけて読書をすると意外な副産物があるのですよ。

 

●そもそも小説を速く読む必要はあるのだろうか?

筆者がなぜ11年もかけて一つの小説を読んだのでしょうか?
その背景にあるのは、「速読は何かを生み出すのだろうか?」という疑問でもあるのです。

だが、速く読む必要などなにもない。むしろ、「読むことの停滞」の中にほんとうに大事なことがあると思える。そこで立ち止まり、考えるからこそ、読む体験の中から意味のあることを獲得できる。
だから、「速読術」というやつがわたしにはまったく理解できないのだ。たとえば、「詩」を速読することを考えればその無意味さがわかるだろう。

ぼくが今読み進めているのが「統計学」に関する本なのですが、見事に「読むことの停滞」を感じています。つまり、すっと言葉が頭に入ってこないのです。

小説と違って実用本は速読できるにこしたことはありません。

しかし、それでも「停滞している」状態で本を読むことは時に素晴らしい果実をもたらすこともあることもあります。

筆者はこう続けます。

まあ他にも多くの詩人の言葉を猛烈なスピードで読んだところでいったいそれがなんになるのだろう。DVDで映画を早送りしながら観るようなものだ。「あらすじ」と「早送りした映像」だけで映画がわかった気になるとしたら、それほどナンセンスなことはない。〜略〜

早回しはだめだ。
早く回してなにが知りたいのだ
速読はそれに似ている。

小説を速読するとたしかに回転数が上がるのでより多くの読書体験が出来ます。
でも、それは果たして「読書」でしょうか?
小説からエッセンスだけを引っこ抜くだけの「読書」はすごく勿体ない気がします。

そこでこの「時間のかかる読書」です。

時間のかかる読書―横光利一『機械』を巡る素晴らしきぐずぐず

●時間のかかる読書をするとツッコミ力が増す!

筆者のように11年かけて小説を読むとツッコミ力が増強されます。
「こんなツッコミができるのか?」「え、ここでそんなツッコミどころがあるのか?」ともう本当に豊かな発想を磨くことが出来るんですよ。

例を挙げましょう。

なにしろ次のような人物が出現するので驚かざるをえないーあるいは悦ばざるを得ない事情があった。
「主人は金銭を持つと殆ど必ず途中で落としてしまう」

ここで書かれている「主人」というのは、本文を読んでいただければわかるように主人公らしき「私」が働く「ネームプレート製作所」の経営者のことだ。

しかし、「金銭を持つと殆ど必ず途中で落としてしまう」とはいったいなにごとなんだ。そんな経営者がいるものか。

 

ほら。ツッコンでますよ。
速読していたらこんなツッコミできないですよね。

 

こうした人物など、ただの「うっかり者」としてほっておくのが「文学」に接する正しい態度ではないか。しかし、それにしたって、どうかと思う。
驚かざるをえなかったし、気になって仕方がなかった。

主人は金銭を持つと殆ど必ず途中で落としてしまう」……

この一文だけでこんなにツッコミを入れられるんですよ。

 

●この本を時間をかけて読んでみた。

ぼくもちょっと「時間のかかる読書」を時間をかけて読んでみたのですが、もう宮沢章夫さんの洞察力に舌を巻きました。

まるで、横光利一さんを踏み台にして自分の「観察眼」を露呈しているような読後感に覆われたのです。

そして、宮沢さんのツッコミは驚くほどきめ細かいんです。

句読点の打ち方、改行の少なさ、登場人物の名前の意味、接続詞の使い方、描写の荒々しさなどなど、あらゆる箇所をいじっています。

 

ということでまとめます。
お笑い力を高めるためには、タートルトークからトーク力を学び、「時間のかかる読書」でツッコミ力を仕入れるといいでしょう。

(関連記事)ディズニーシーの「タートルトーク」はお笑い育成塾となるべきだわ。 


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 - 読書日記, お笑い日記

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