起業するにはまず独占せよ!ピーター・ティールの「ZERO to ONE」論争
2016/10/10
「ゼロからイチを作ることが大切だ。」
このようなフレーズはよく言われていますが、「ZERO to ONE」という本を読むとなぜイチになるのが重要かが垣間みれます。
キーワードは「独占」です。
この本は起業家だけではなく起業家予備軍が読むべき書ですね。
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●起業家がまず狙うべきは「小さな市場の独占」。
起業については、ニッチ市場を狙うか、ある程度大きい市場を狙うかでアプローチがわかれています。この著者のピーター・ティールは一貫して「ニッチ市場」を強調しています。
ここで、ピーター・ティールについてざっくりと述べますと、彼はオンライン決済サービス「Paypal」を創業し、投資家としてシリコンバレーで絶大な影響力をもっています。
そのティールは、本書でこのように述べています。
どんなスタートアップもはじまりは小さい。どんな独占企業も市場の大部分を支配している。だから、どんなスタートアップも非常に小さな市場から始めるべきだ。失敗するなら、小さすぎて失敗する方がいい。理由は単純だ。
大きな市場よりも小さな市場の方が支配しやすいからだ。
●なぜ「独占市場」を目指すべきか?
「独占するためには、小さな市場を支配して市場を拡大すべきだ。」
ティールはこのような意見を持っています。
しかし、そもそも独占するメリットとは何でしょうか。
成熟したマーケットで追随するアプローチでもいいのではないか?
こう思ってしまうのですが、ティールの理論はやはり一貫しているのです。
カネのことしか考えられない企業と、カネ以外のことも考えられる企業とでは、ものすごい違いがある。独占企業は金儲け以外のことを考える余裕がある。非独占企業にその余裕はない。
ここで重要なのは「余裕」があるかないかなんですよね。
独占企業というのはマーケットを支配しているので、目先のキャッシュのことを懸念することなく長期的な視野で経営が出来るのです。
レッドオーシャンの市場で苦しんでいる企業は資金繰りのことばかり考えているので、革新的なものを作れないんですよね。
ティールはこう続けます。
完全競争下の企業は目先の利益を追うのに精一杯で、長期的な未来に備える余裕はない。生き残りを賭けた厳しい闘いからの脱却を可能にするものは、ただひとつー独占的利益だ。
起業家が目指すべき境地とは「独占」だとティールは主張しているのです。
また、ティールは別の対談で「競争するのは負け犬のすること」「競争を勝ち抜くか独占するしかビジネスモデルは存在しない」などの語録を残しています。
競争を避けてブルーオーシャンを支配してやろう。
その前に、この問いを自分に投げかけてみましょう。
「君はゼロから何を生み出せるか?」
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