ケンタの日本全国スタバ旅 (Starbucks trip)

日本のコンセプトストアを制覇した「スタバ旅行家」のケンタが47都道府県のスタバを巡りまくる!

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災害は人生を変える機会なんですよね。〜「持たざる者」金原ひとみ

      2016/10/11

先週の東北スタバ旅で、ぼくは金原ひとみの「持たざる者」という本を携えていました。

この小説は東日本大震災後の4人のストーリーを描いたものですが、その中でも震災避難を試みた「修人」という登場人物に共感を覚えました。

持たざる者

 

●「持たざる者」のあらすじ

震災、原発事故、子供の死、義理の家族との軋轢…抗いようのない形で人生が進んでゆく4人の30代の男女。四者四様の思いが絡まり合い、人生の葛藤が鮮やかに描かれる。4年ぶり渾身の長編小説。

「読書メーター」より

金原ひとみさんは現在パリ在住だけあって、この小説では海外移住者としての目線で描かれています。
また、金原さんは母親としての作風が際立っています。
「持たざる者」もさしずめ「マザーズ」の続編のように感じました。

(関連記事)読書日記(9)「マザーズ」 金原ひとみ 〜育児がいかに壮絶か、そして。

●震災後に関西に避難したらどうなってただろう?

この小説には4人の物語が展開されますが、その中でも「修人」の気持ちが痛いほど分かるんです。彼は震災に直面した後、妻(香奈)と子どもを関西へと避難させようとします。しかし、妻は激しく抵抗するのです。

その部分がこちら。

香奈はヒステリーを起こし始めていた。このまま激高させたら、避難どころの話ではなくなってしまう。産後、そもそも慣れない育児で心身共に参っている中で大震災に直面し、余震の続く中津波と地震と原発の映像を繰り返し見続け、食料やミルク、オムツの買い占めなどのニュースもあって、既に精神的に摩耗している部分があったのだろう。

ぼくはふと2011年3月11日のことを思い出しました。
当時、ぼくも「修人」と同じく妻と子どもの3人で東京で過していました。
子どもは当時4ヶ月。

妻は慣れない育児に追われていました。
そこに震災と原発事故が発生し、 ぼくたちは先の見えない生活に強烈な不安を感じていたのです。

ぼくは妻に「子どもを連れて姫路の実家へ逃げないか?」と提案しました。
しかし、妻はぼくの提案をやんわりと拒否。妻は冷静でした。

でも、このようなカタストロフィックイベント(大災害級の出来事)がない限り、地方移住という大決断はなされないのかもしれません。
特にぼくのような優柔不断の人間は。

もしあの時、関西に戻っていたら違う人生が待ち構えていたのでしょう。

 

●育児が大変とか言っている時点で申し訳ないです。

もう一つ「修人」に思い入れを持っている理由があります。
それは、「父親」としての所感です。
彼は育児に関してこう思っているのです。

実際に子供が生まれてみて、ほとんど育児に参加出来ない僕が父親を名乗る事を、僕はずっと申し訳なく感じてきた。ロクに育児もしてないのに、うちの子はさあ、と父親である自分を誇示するような男を何人も見てきたせいだろうか。子供が生まれてからは、そういう奴を見るとお前は父親というより種馬だろうと思うようになった。

わかる。わかりすぎる。
これは「育児あるある」ですが、父親はふとした瞬間にどうしても無力感を感じてしまうのです。男としての育児には限界があるんですよね。

……もうこの時点で「言い訳」なんですけどね。
ぼくは「種馬」にすぎないんですけどね。

 

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